ミンダナオ子ども図書館だより

ミンダナオ子ども図書館だより

2007/12/22

クリスマスおめでとう号、平和のシンポジウム他

ミンダナオ子ども図書館館長 松居 友

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 ミンダナオ子ども図書館の奨学生が全員集まり、恒例のクリスマスパーティーを開きました。この日は、単に浮かれ騒ぐ日ではなく、シンポジウムの日と決めています。今年のテーマは「平和」。
 クリスマスが近いので若者たちが、貧しい人々への古着の支援をしました。
 イスラム地域に、Tuyoshi Takahashi氏の支援で、さらに二つの保育所が完成しました。重要な地域での建設だっただけに平和への一歩だと感じます。
 里帰りする子たちの様子などをお伝えします。

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Merry Christmas & Happy New Year !!

クリスマスおめでとうございます。
これらは、ミンダナオ子ども図書館の若者たちが手作りで作った星です。
身近ないろいろな素材を使って苦心して制作したものです。
中には、全身ピーナッツで出来ている星もありますが、わかりますか?

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ミンダナオ子ども図書館のクリスマスパーティーが終わった。
約150名の高校大学のスカラシップ生徒と若干の地元の学校に通っている小学校の里子たちが参加した。
クリスマスパーティーは、単なる遊びではなく、シンポジウムをする日と決めている。
初日は、全体のミィーティングの後に、昼を挟んで「平和」についてシンポジウムをした。
イスラム教徒、先住民族、移民系クリスチャンのグループに分かれて、各々パネリストを選出し、まずはグループ別討論をする。
その後、パネリストを中心に発表があり、さらに意見交換に移っていく。

議論は、家庭における平和から、国家、政治的な問題や戦闘などにも及んだ。
議論された内容は、スタッフが英訳して公表したい。
私たちは、12月のクリスマスパーティーを、1月のムスリムデー、4月のマノボデー、8月のビサヤイロンゴデーという、三つの各部族の日の集大成と考えている。
今回も三つの文化祭を基調にして、平和について語りあった。来年は、「貧困」について語ってみたい。

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人数が多いので、今回は庭に天幕を張った。
ミンダナオ子ども図書館の農地の向こうに
ビニールシートで若者たちが建てたテント。

右は、集まったスカラシップの学生たち
下は、各部族で分かれての討論風景

左:マノボ族、バゴボ族
中:移民系クリスチャン
右:イスラム教徒

「平和」は、たびたび戦闘が起こるミンダナオでは、切実な問題だけに、触れるには勇気がいる。
私たちの奨学生は、イスラム教徒の場合も、先住民族の場合も、移民系クリスチャンの場合も、政府系と反政府系から来ている。それだけに、話しにくい部分もあって、一筋縄には行かないのは当然。

それ故に、統一した見解を出すのではなく、各々が違った部族や立場を互いに理解し合うきっかけにしている。
イスラム教徒から、多く出された意見は、「イスラムというのは、宗教の名であり、イスラム=テロリストという、安直な偏見に満ちた見方は止めて欲しい」というものが多かった。

先住民族の場合は、家庭の問題として取り扱われたケースが多く、平和=幸せな家庭だが、その背景に家庭が成り立たないほどの貧困、つまり一家が食べ行けない状態が見えてくる。

さすがに移民系クリスチャンによって奪われた土地問題にまで踏み込むとこじれてくるので、止めているようすだったが、新人民軍などの反政府勢力の地域から来ている子も多い。
キリスト教徒の子たちの中には、政治の腐敗や賄賂に言及する子がいた。

私は、どのような立場にも立たないが、将来を担う若者たちが、何かを考えるきっかけになってくれればと思っている。
平和を作り、貧困の問題を解決していかなければならないのは、彼らなのだから。

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夜は、今年一年のミンダナオ子ども図書館の活動の映画を見た。
シーンの中には、難民救済のシーンや山での貧困の場面もあり、皆それぞれ自分たちの事として現実を深く感じ、
また異なった部族の人々の立場にも思いを至らせていた。
イスラムの若者たちの日本での民族舞踊の公演の映像も見せた。ここをクリック

全員が集まるとさすがに学校のようだ
その夜は、クリスマスのご馳走を食べて、みんなでクリスマスパーティー

各々の学校に分かれて、出し物が続く。
時には寸劇も入り、出演者も周りも涙を流していた。
クリスマスパーティーは、延々と深夜まで続いた。

開けて翌日、この日は特別に、支援者の方々から届いた物資を奨学生にも支給した。
一人10品。古着やバッグや靴など・・・

自分が使うものもあるけれども、何よりも新年に里帰りしたときに親や親戚や兄弟に渡すもの
彼らの家も極貧だからだ・・・

特に、小さな妹や弟にあげるための子供服
小さな靴やサンダルが大人気!
あっと言うまに無くなった。

家が遠く、また筋ジストロフィーだったり、盲目だったりする若者を、私たちは家にまで送っていった。
写真を撮られて、恥ずかしがる筋ジストロフィーのアーリン。来たときよりずいぶん重たくなった。
おばあさんに迎えられて、うれしそうな兄弟のベンジー
ジープで2時間近くかかる山奥に彼らの家はある。

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盲目のベルリーンも里帰り。
父さん、母さん、兄弟たちが迎えてくれた。
戦闘後に盲目になったが、母さんも片眼が見えない。

二つの保育所がさらに完成した。
Tuyoshi Takahashi氏のおかげで、バロンとブアランに二つの保育所が完成した。
前回の一カ所を含めるとTakahashi氏のおかげで、3棟完成した。
共に、支援から見放されてきた反政府地域だが、人々も心を開きはじめ、とても良い関係が構築されつつある。

保育所建設は、平和への取りかかりになる。
ここを拠点に、次に読み語りの活動が始まる。

上と左は、バロンの保育所

完成をイスラム教徒の人々は、心から喜んでくれた。
バランガイキャプテンから、引き渡しのサインを頂く。
DSWD(福祉局)の所長も同行した。

子ども達も中に入った大喜び。
この地域の子ども達は、カメラを向けると怖がって逃げる。
ピストルと間違えるのだろうか?

最も保守的なイスラム地域の一つだが、ここのところ急速に心を開きつつある。

下は、ブアランの保育所
ここは、小学校が戦闘時の傷を残したままになっている。
小学校が新しくなればどんなにうれしいことか、と村長が語っていた。

ただ、ブロルとブアランを結ぶ地域にあるダマラサクで、先週から戦闘が起きている。
すでに一部の難民に古着の支援を行ったがまだ情勢が不安定なのと、難民が家に非難しているので接触が難しい。
ダマラサクからは、奨学生(高校生)がミンダナオ子ども図書館に属しているが、彼は無事だ。
6人ほどが亡くなり、1000人ほどの難民が出ている。

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みんなで頑張った古着の支援
クリスマスを前に、ピキットのカトリック教会で古着の支援をした
事前に配られていたチケットを元に若者たちが古着を手渡していく

イスラム教徒の救済で有名なライソン神父の教会で、久しぶりにお会いした。
日本でのイスラム教徒の若者の公演にエールを送ってださった。

ライソン神父の報告書(2003)
ここをクリック 

「戦争における敵は、戦争そのものである」
Fr.ロベルト・ライソン

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古着をもらって大喜びの子ども達やお母さんたち

古着を積んで、リヤカーで家族で家路につく
ピキットの周辺のイスラム教徒も貧困が激しいが町中のキリスト教徒地域の子ども達も貧しい
来年度の小学生のスカラシップ調査もかねてボアイボアイに行った
9月から数度近づこうとして、車がたどり着けなかった所だ。

今回もいろいろな壁に出会ったが、強心臓のチェロキー一台で制覇・・・・・と思いきや、直前で橋が崩落していた(写真下)

古着を渡すことも目的だったが、幸い、ミンダナオ子ども図書館にいる小学生のお父さんが、娘と川に洗濯に・・・・・大きな荷物だったが、お父さんが、軽々と肩に担いで運んでくださった。

今年も皆さんからの物資支援は、多くの方々に喜ばれています。
1月からは、応募してきた学生の家庭調査で、サバイバルゲームさながらに山岳地やムスリム地域を巡りますが、そこにも届けようと思っています。
ただ、活動のための、現金の寄付もお願いしますね。

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【ミンダナオ子ども図書館】
私たちの支援は、心を活動を中心にすえています。
私たちの支援は、山岳民族や難民キャンプの貧しい人々に、ただ物資を送るのではなく、フィリピン人の若いスカラシップ学生たちやスタッフたちが地域を訪れ、読み聞かせをしたり、ボックス文庫を作ったり、きめ細かな心のふれあいのなかで、支援する側の若者たちと貧しい地域の子どもたちが、時間をかけてともに育っていく場をつくる支援です。医療プロジェクトも読み聞かせに訪れた地域の病気の子どもたちを、完治するまで見とどけ面倒を見たうえで、その後の再訪やケアもするなかで、支援するフィリピンの若者や日本の人々、そして貧しい村人たちが心から喜びを分かちあう場をつくる援助です。あなたも参加してみませんか。【ミンダナオ子ども図書館ホームページより】

【写真・文】松居 友  ミンダナオ子ども図書館(現地認可法人)代表。元福武書店(現ベネッセコーポレーション)児童書編集長。特にミンダナオの貧困層の子どもや若者たちに本の読み聞かせなどを通して、社会活動や創造的活動に参加する楽しさを伝えることを目的にミンダナオ子ども図書館を設立。教育支援、医療プロジェクトなどを行う。

▼バックナンバー▼

クリスマスの準備とアロナの兄の死、役員紹介 2007/12/11
迷走日本どこへ行く、日本の若者たちの国際交流の必要性 2007/11/22
速報 2007/11/15
ムスリム公演大盛況で終わる 2007/11/13
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幼稚園の先生研修に、パイロット保育所開所式に参加、ピキットの調査とミンダナオ情勢 2007/08/27
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