新風舎への公開質問状

公開質問状

2008年1月16日

株式会社新風舎
代表取締役 松崎義行殿

 松崎氏は民事再生法の適用申請にあたり、松崎氏は自費出版契約を締結し、制作費の一部、または全てを入金させておきながら、未だに出版していない1100人の人々を債権者から除外し、これらの人々に対し、引き続き本の制作を行い、完成させ販売・物流も行うと記者会見で発言している。何を根拠にそのような約束ができるのか?

 私たちNPO法人リタイアメント情報センターの「自費出版トラブル相談室」には倒産前から、新風舎と契約した人々からの問合せが多数寄せられてきた。その中には質問条項に触れたように、詐欺的な営業方法で契約させられたと思われる事例もある。それらの実態を把握することなく、1100人もの契約を軽々しく履行できると明言することは、契約者を惑わし、二重の被害を発生させかねない軽率な言動である。

 私たちは、松崎氏が、本当に1100人もの契約を履行できるかどうかについて、自費出版業界に詳しい複数の専門家の見解をもとに、公開質問状を作成した。この質問状は、松崎氏が新風舎を再生可能と考える根拠を問うものであり、同時に、現在放置されている、本来債権者であるはずの契約者の人々の判断材料の一つとなることを願うものである。

1. 1100人から受領している出版費用は、総計いくらになるのか。

2. 1100人の著者の出版の工程はどこまで進んでいるのか。その人数の割合を以下回答願いたい。

  ①初校ゲラ提出済み  ......% ......点
  ②再校ゲラ      ......% ......点
  ③編集終了      ......% ......点
  ④未校了       ......% ......点

 また、大量の社員が退職し、社屋も急遽移転したという状況で、原稿やデータの管理は正常に行われているのか? 著者から預かった資料・原本などの保存は出来ているのか? 碧天舎の倒産事件の時は、混乱の中で、多くの原稿、データが失われていたとされる。

3. 1100点の本の編集は、誰がどのように行うのか。その費用はどこから捻出するのか。

4. 1100点の本の組版は、どの会社が行うのか。その費用はどこから捻出するのか。

5. 1100点の印刷、製本は、どこの会社が引き受けるのか。その費用はどこから捻出するのか。

6. 出版工程の管理を新風舎で行うことができるのか。その人材は?

7. 出版した本を管理する倉庫はあるのか。これまでの倉庫の管理費は払えているのか?新たに契約する場合その費用はどうするのか。

8. 流通ルートは必ず守ると言うが、昨年度の売上げで、自費出版の取次ぎを通しての売上げはいくらか? それは全体の何パーセントか?

9. 本の売上げで経営が維持できていなかった新風舎には、通常の出版社の再生と異なり、本を売って利益を上げるということは考えにくいが、再生の資金をどうやって調達するのか?

10. 再生資金に充当するという理由で、自費出版社である新風舎から発刊した本を、なぜ著者が自著をあらためて買い取らなければならないのか。著者から二重の費用負担を求めることにならないか?

11. 記者会見場で「これからは新規に受注した自費出版の本を売って再生する」という発言をしていたが、それならば何故、これまで大量の在庫を雑損扱いで著者に無断で廃棄処分してきたのか? 新風舎は共同出版という名目であたかも流通できるがごとく装い、自費出版させて利益を上げてきた。これまで自費出版本を、売る実績がなかった松崎氏がどうしてこれから自費出版本を売ることができるのか? その根拠を示して欲しい。

12.もともと自費出版本の書店営業実績が弱い新風舎が、1100人もの出版契約を、約束したとおり全国有名書店に並べるという契約を履行することがどうして可能なのか? 仮に支払の残った契約者が残金を支払っても、赤字受注ということになるが、再生会社で赤字受注するということは可能なのか?

13.、流通を確保するとは具体的に何を意味しているのか? 書店との信頼関係は出来ているのか? あれば、その書店名を示せ。

14.仮に、出版契約を履行するとして、1100人の著作1100点を何年がかりで刊行できるのか? 年間100点発行している自費出版社でも11年かかることになるが、もし製作途中のデータが保存されているのであれば、それを著者に無償で返却して、著者にとっては他の出版社で完成させるほうがより早く刊行できるのではないか?

 また、同様に在庫も倉庫負担がかかるのなら、現在の著者に無償で返品すべきではないか? 碧天舎の場合、在庫は倉庫会社が差し押さえたことになり、後に著者に安く払い下げていた事実がある。今後書店に並ぶ可能性のない在庫であるならば、著者にとってどちらのメリットがあるか経営責任者として松崎氏は自らの事業の責任の取り方を、より現実的に判断すべきではないか?

15.松崎氏は1100人の被害の実態をどこまで把握しているのか?
 初回の支払の後、1年半も放置されて、今回の倒産に至り、不信のあまり、前払い金の返金がなくとも、既に内容証明で解約の手続きに入った人がいることを知っているか?

 倒産直前に特別に半額でよいからと、異常なダンピングで、しかもクレジットで契約させられた被害者や、クレジットの金利を安くするからと契約させられた被害者もいる。この様な人々もまだ被害者ではない、債権者ではないといいきれるのか? ただ単に本ができないという以外に、詐欺的営業行為で被害を受けた人々がいるということに対してどのような認識を持っているのか。そういう営業活動を許していたことに対する経営責任をどのようにとるつもりなのか?

16.上記のような悪質な営業を野放しにしていた松崎氏による再生で、新風舎が再び悪質な営業活動を行わないと言い切れるのか?

 以上の質問に対して、1月25日までに、文書による回答を求めるものである。

特定非営利活動法人リタイアメント情報センター
自費出版部会
部会長 渡邊勝利
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